『論語』とは、孔子本人が書いたのではなく、孔子の死後、彼の弟子たちが書き付けていた言葉や問答を取り集めて編集したものです。
様々な経営者の方と話をしていて、競合他社との違いを生み出すことが非常に難しいと感じている方が非常に多いと感じる。非常に個性的な方が多いが、その個性を生かした経営ができていないためではないだろうか。どうすれば独自の製品・サービスを生み出し、独自の世界観を創っていくことができるのだろうか。
【原文】
子曰、先進於禮樂、野人也。後進於禮樂、君子也。如用之、則吾從先進。 先進第十一 1
【読み】
子 曰く、 先進の 礼楽に 於けるや、 野人なり。 後進の 礼楽に 於けるや、 君子なり。 如し 之を 用うれば、 則ち 吾は 先進に 従わん。
【解釈】
孔子先生がおっしゃった。
「礼楽の道において、先輩たちは粗野な野蛮人のようである。後輩たちは礼楽の道において、磨きのかかった立派な君子のようである」と、そう世間で考えるのも一応もっともだ。しかし、もし私が先輩か後輩か、いずれかを選んで実際に活用するとしたら、私は先輩たちのほうに従うだろう。
【ワンポイント・アドバイス】
孔子は、先輩格が得意とする『政治的実践』と後輩格が熱中する『礼楽的研究』において、実際に信念を持って素早く行動する政治的実践のほうを重視した。机上の学問も必要だが、教養主義に傾斜し過ぎると実行力や決断力に陰りが出てきて、何事も有意義な行動が出来なくなってしまうということである。
日本は依然として学歴主義が強い傾向であるが、高い学歴を持つ社員は頭でっかちで行動できない人が多いと言われている。燃えるような熱意や、「絶対勝つ」というような闘争心が足りないとも言われている。成果を上げるためには、学んだことを活かして行動し、行動の中から新しい知見を得る必要がある。それがまさに行動と学習であり、その繰り返しによって、私たちはスキルやノウハウを高めていくのである。
自社固有の経営理念やビジョンを行動と学習によって実現していく中で、他社にはまねすることのできない独自の力を育むことができる。書籍や他者から学んだだけで自身の想いや経験に基づくものでなければ、他社との違いが明確なものにはならないだろう。
想いを描き具体化し、それを実行する中で競合他社とは全く異なる世界観と、消費者にとって魅力的な製品・サービスを提供したいという方がいらっしゃいましたら、是非ともお声掛けください。お客様との約束を結び、社員の誇りと自信を生み出していきたいですね。