『論語』とは、孔子本人が書いたのではなく、孔子の死後、彼の弟子たちが書き付けていた言葉や問答を取りまとめたものです。
企業でも人でも、大きく成長する場合とそうでない場合があります。成功する人と失敗する人がいるということです。しかし、失敗する人であっても熱心に仕事をしている人もいて、一見すると成功する人と大きな差がないように見えます。そこには、どのような違いがあるのでしょうか。
【原文】
子曰、苗而不秀者有矣夫。秀而不實者有矣夫。 子罕第九 21
【読み】
子 曰く、 苗にして 秀でざる 者 有るかな。 秀でて 実らざる 者 有るかな。
【解釈】
孔子先生がおっしゃった。
「苗にはなっても、花が咲かないものがある。花は咲いても実を結ばないものがある。」
孔子の弟子は約3000人いたと言われていますが、そのすべての人が道を究める事ができたかというとそのようなことはありません。有意義な人生を送ろうとすると、更に困難になるということです。人の中には早熟型の天才もいれば、晩成型の秀才もいます。だから、若者たちの才気あふれる将来を見通すことは難しいことですが、孔子は、教育活動によって人の才能や能力を開発することに情熱を傾けていたと言えます。
この言葉の中には、教育の難しさを実感した孔子の心があり、同時に、弟子たちに向けられた一生懸命に努力して目の前にある壁を破ってほしい」という熱いメッセージがあるのです。
【ワンポイント・アドバイス】
真剣に取り組んでも、なかなか結果が出ない時があり、それがまさに壁ですが、人は真剣だからこそ、ぶつかる壁があるのです。逆に何となく生きているときに壁にぶつかることはありません。
もし、壁に行く手を阻まれたら、それは必ず乗り越えられる成長の機会が与えられたという認識をもつことが大切です。その壁はとてつもなく大きく見えたり、分厚く見えたりするかもしれません。このような時には、自分が今できることから達成していくことが大切です。まずは小さな目標を一つずつ定めてやり遂げていきましょう。その結果は大きな目標達成となります。小さな一歩一歩の積み重ねは、必ず目の前の壁を少しずつ壊していくのです。
私達は壁を超えていくことを支え、人を育てる経営者や企業でありたいものです。このように、経営理念やビジョンという理想の世界を実現する経営をしたい方、ぜひともお声かけくださいませ。