『論語』とは、孔子と彼の弟子達の会話を、孔子の死後、本人ではなく門人たちが書き付けていた言葉や問答を死後に取り集めて編集したものです。
経営していく中であれもしたい、これもしたいと悩むことが多いことと思います。書籍から学べば新たなアイデアも浮かんでくるでしょうし、人からアドバイスをもらえばその通りにしてみようとも思います。しかし、たくさんのことが重なるとやりきることが難しく感じます。そんなときどうしたら良いのか、ヒントになる一文です。
【原文】
子路有聞。未之能行。唯恐有聞。 公冶長第五 13
【読み】
子路は 聞くこと 有りて、 未だ 之を 行うこと 能わずんば、 唯 聞くこと 有るを 恐る。
【解釈】
子路は(孔子先生から)学んだことがあって、まだそれを実行することができないうちは、(何か別のことを)さらに新しく学ぶことを、大変心配した(人だった)。
一つのことを学んだら、まずそれができるようになるまで頑張ってみる。次々に新しいことを知るよりも、ひとつのことをきちんと最後までできるようになることの方が大切である。
【ワンポイント・アドバイス】
一つのことができるようになる、あるいは、一つのことを究めるということは、世の中の原理原則を知るということに繋がっている。具体的に言うと、目標を達成するためには、その意味を知り、具体的な達成のイメージを描き、自分の心に深く刻み込むことが大切であるし、その達成のイメージの中には、喜んでいる仲間の笑顔がある。仲間の笑顔を実現するための過程を想像してみれば、泣いたり笑ったり、嬉しかったり苦しかったり、様々な場面が浮かんでくる。人への配慮もしながら、己に克ち、目標を実現する経験は、きっと今後の働き方にも大きな学びとなるだろう。
あるコンサルタントが言った。
「もしあなたが本当に実現したいことがあるならば、この5枚の紙に実現したいことを5つ書き出しなさい。そして、その中の4枚は破って捨ててしまいなさい。残った1枚の実現したいことを1年間、本気で真剣にその事だけを考えて取り組んでみなさい。そして、1年後目標が達成されていなければ、その実現したいことはあきらめなさい。あなたにはその才能はありません。しかし、きっとあなたは1年後、その目標を達成していることと思います。」
あれもこれもというのではなく、1つのことにフォーカスする。そこには、迷いのない熱意が生まれるのだと思う。経営理念やビジョンを持つことで、何に情熱を注ぐべきなのかが明確になると私たちのエネルギーは大きな力を生み出す。是非、すばらしい経営理念と戦略を実現したい方、お声かけくださいませ。