『論語』とは、孔子と彼の弟子達の会話を孔子の死後、本人ではなく弟子たちが記録した書物です。
日々、経営をする中でお客様や部下からの信頼が欲しいと思い、自分の人格を高めたいと思うことが多々あるのではないだろうか。人を見ていると信望が厚く素晴らしいと感じることもあるし、逆にもう少し努力が必要なのではないかと思うこともある。どうしたら、素晴らしい人格を得ることができるのだろうか。
【原文】
子貢問爲仁。子曰、工欲善其事、必先利其器。居是邦也、事其大夫之賢者、友其士之仁者。
衛霊公第十五 9
【読み】
子貢、 仁を 為すことを 問う。 子 曰く、 工、 其の 事を 善くせんと 欲せば、 必ず 先ず 其の 器を 利にす。 是の 邦に 居るや、 其の 大夫の 賢なる 者に 事え、 其の 士の 仁なる 者を 友とす。
【解釈】
子貢が仁を実践する道についてたずねた。
孔子先生がこたえられた。「大工はよい仕事をやろうと思うと、必ずまず自分の道具を磨いて鋭利にする。同様に、仁の実践には、まず自分の身を磨かなければならない。それには、どこの国に住もうと、その国の賢者を選んでこれに仕え、その国の仁徳ある情の熱い士を選んでこれを友とするがよい。」
人格を高めるための学び方を、大工の道具の手入れに例えて表現している。また、己を磨くためには、善き師、善き友を選ばなかったら、己を磨くことができないということである。
【ワンポイント・アドバイス】
「朱に交われば赤くなる」という言葉がある。この朱というのは、善い影響の場合もあれば、悪い影響の場合もある。人は交わる友によって善悪のいずれにも感化される生き物である。だからこそ、師を選ぶのであれば、素晴らしい方向に啓蒙してくれる賢者にするべきであるし、友を選ぶのであれば、情に厚く思いやりのある人を選ばなければならない。
注意が必要なのは、否定的な感情が強く、どこに向かうかは問わず、ネガティブなコメントが多い人だろう。そのような人の近くにいると、たとえ自分のことでなくてもネガティブな感情になり、心をむしばまれるものである。私たちリーダーはどんな時でも、明るく楽しく前向きに生き、善い影響を与えられる人でありたいものである。
自身の人格を高め、社内に前向きな気持ちを生み出し、ドキドキ、ワクワク感のある組織を作りたいという方がいらっしゃいましたらお声掛けください。素晴らしい経営理念・ビジョンを策定し、スタッフに語り、同時に自分の行動を通じて伝えていくという理想の経営を実現していきましょう。