『論語』とは、とは、孔子と彼の弟子達の会話を、孔子の死後、本人ではなく門人たちが書き付けていた言葉や問答を、取り集めて編集したものです。
最近の若者が年長者に対して尊敬や敬意がないという話を良く聴く。スポーツや部活動でも実力主義が主流となったり、男女平等という思想のもとで父親の威厳が軽んじられるようになってきたりなど、以前のように年長者を立てるという価値観が薄くなってきていることがその原因といえるだろう。その風潮は組織の中においても留まることを知らず、知恵や技術の伝承が困難になっている。この風潮に歯止めをかけるにはどのような考え方が必要だろうか。
【原文】
子曰。弟子入則孝。出則弟。謹而信。汎愛衆而親仁。行有餘力。則以學文。 学而第一 6
【読み】
子 曰く、 弟子、 入りては 則ち 孝、 出でては 則ち 弟、 謹みて 信あり、 汎く 衆を 愛して 仁に 親しみ、 行いて 余力 有らば 則ち 以て 文を 学べ。
【解釈】
孔子先生がおっしゃった。
「若者たちよ、家庭にいるときは親孝行、外出した時には、(目上の人や、年上の人に対して)素直に従い、(行動は)慎重にして、言葉に責任を持たなければならない。広く人々を大切にして(学徳ともに立派な)仁者に近づき親しんで、(それを)行った上で余裕があるのならば、その時には、書物による学問を進めていくのがよいであろう。
【ワンポイント・アドバイス】
学びを深めていくためには、まずは身近なところから師となる人を見つけ、尊敬し、感謝することが大切である。親は自分を育んできたかけがえのない人であるし、年長者は間違いなく自分よりも長く生きて多くの経験をしている人である。親や年長者は、時として反面教師になることがあるかもしれないが、反面であっても共に生きて、学びを与えてくれたことへの感謝の気持ちを持つことで、その気づきを学びに変え、自分のものにしていくことができるのである。