『論語』とは、孔子本人が書いたのではなく、孔子の死後、彼の弟子たちが書き付けていた言葉や問答を取りまとめたものです。
素晴らしい経営者を見ていると、『強さ』を感じます。その反面、経験が少ない経営者を見ていると何か物足りなさのようなものを感じます。その違いはなぜ生じるのでしょうか。どうすれば、理想的な経営者になることができるのでしょうか。その姿を孔子の姿から考察してみましょう。
【原文】
子温而厲、威而不猛、恭而安。 述而第七 37
【読み】
子は 温にして 厲しく、 威ありて 猛からず、 恭にして 安し。
【解釈】
孔子先生は穏やかであるが、しかも厳しい方でもあった。威厳があるにもかかわらず、しかも恐ろしくはない。慎み深くうやうやしいが、同時に、堅苦しくはなく安らかな方であった。
務めて温和であろうとすれば、一本芯の抜けたような、か弱き善人になりかねないし、威厳を保とうとすれば、妙にいかつくなってしまう。慎み深くあろうとすれば、変にギスギスしてしまう。何かに偏らず中庸を得るということは、難しいものである。
【ワンポイント・アドバイス】
孔子は、『期待されるリーダー』そのものであると考えられます。勇・智・仁の3つを兼ね備え、人に優しく、勇気を持って行動でき、世の中を生き抜くために、目の前の人に対して柔軟に対応していく力を持っています。
また、孔子は遠くから見た時には威厳が感じられ、近寄ってみると人を包み込むような温かさがあり、更に話をしてみるとなかなか手厳しいという印象を与えます。なぜかというと、孔子は「世の中を良くする」という崇高な理念を持っており、勇・智・仁の全てが万遍なく、全ての面が秀でているからなのです。
これを経営に当てはめると、「組織が強く理念に向かう力や、同時に仲間に対する優しさも持っているような、経営理念、経営ビジョン、ミッションを掲げている」ということでしょう。まさにこれは、理念型経営の実践そのものではないでしょうか。孔子のような存在感のある経営者になり、素晴らしい経営を実践したいという方がいらっしゃいましたら、ぜひともお声かけください。共に経営、そして、人生の成功に向けて歩んでいきましょう。