『論語』とは、孔子と彼の弟子達の会話を、孔子の死後、本人ではなく門人たちが書き付けていた言葉や問答を、死後に取り集めて編集したものである。
経営していく中で、相手に自分の想いが伝わらなかったり、良い関係が築けなかったりすることが多い。それは、忙しすぎたり、あるいは自分の欲に振り回されたりして、相手の存在そのものを感じる事が出来なかったりすることが原因となる事が多いだろう。どうしたら、より深く相手と繋がり、素晴らしい関係を築く事が出来るのだろうか。
【原文】
子曰、参乎、吾道一以貫之。曽子曰、唯。子出。門人問曰、何謂也。曽子曰、夫子之道忠恕而己矣。
里仁第四 15
【読み】
子 曰く、 参や、 吾が 道は 一 以て 之を 貫く。 曾子 曰く、 唯。 子 出ず。 門人、 問いて 曰く、 何の 謂いぞや。 曾子 曰く、 夫子の 道は、 忠恕のみ。
【解釈】
孔子先生がおっしゃった。
「曽参よ、わたしの道は、一筋の道で貫かれている。」すると曽子は「はい」と答えた。その場を孔子先生が出て行かれると、一人の弟子が「どういう意味ですか。」と質問して言った。曽子が答えて言うことには、「孔子先生の道は、(いつも一貫しており、)忠恕(真心のこもった思いやり)の心だけなのです。」
【ワンポイント・アドバイス】
この忠と恕、それは相反するようなものかもしれません。忠とはまごころであり、自分自身が感じている本当の心です。この心は、相手や物事をどう捉えるかによって肯定的なものにもなれば、否定的なものにもなります。このまごころは、妬みや恨みのようなものではなく、相手のことを信じ、成功を願う美しい心です。
忠とは、相手への思いやりであり、その背景や状況、そして、目の前にいる相手に起こっている心情を察し、より善くなるためのもののことです。この美しい真っ直ぐな心と、相手のことを思いやる心を、どんな時でも持ちつづけることで、私たちの人生を変えていくことができるのです。
そのためには、素晴らしい人生のビジョンを持ち、日々反省し、少しでも自分の理想に近づいていく取り組みが必要です。「心を高め、経営を伸ばす。」素晴らしい経営と人生を築いていきたい方、具体的にコーチングの取り組みを始めてみませんか。ご希望のある方は、お声かけくださいませ。