『論語』とは、孔子と彼の弟子達の会話を、孔子の死後、本人ではなく門人たちが書き付けていた言葉や問答を、死後に取り集めて編集したものです。
経営していく中で、他者と自分との考え方の違いや、思い通りにならないことが非常に多いと思う。そんな時、怒りや妬み、嫉妬などの心が生まれ、それを味わうことほど苦しいことはないのではないだろうかと思う。どんなときでも素晴らしい経営者としてあり続けるために、納得のいく自分であるために、孔子のこの言葉を送りたいと思います。
【原文】
子絶四。毋意。毋必。毋固。毋我。 子罕第九 4
【読み】
子、四を絶つ。意するなく、必するなく、固なるなく、我なるなし。
【解釈】
孔子先生は、次の四つのことを捨てられた。意(自分勝手な私心)が無く、必(無理やり、計画通りに押し通すこと)が無く、固(一つのことに固執し、頑固になること)が無く、我(何事も自分中心に考えること)の四つの弊害がなくなった。
要するに、自分自身の我や欲に振り回されることを孔子はやめたということなのである。裏を返せば、己を捨て、社会や相手のことを第一に考え、柔軟な思考で臨機応変に行動するということを大切にしたということである。自分のことばかりにとらわれ、かつ「あるべき論」に固執するとかえって自分が苦しくなってしまうのである。結局、苦しくなるのは、自分の考え方のどこかが間違っているからであり、それを捨てれば楽になることができる。
【ワンポイント・アドバイス】
この我とか、欲とかというものをどのようにしたらコントロールすることができるのだろうか。非常に難しい問題であるが、重要なことは志を立てることだと思う。そして、大きな志がありながら、我や欲に振り回されるということは、自分の弱さの表れであり、それは経営者としての力や魅力を損なっていくものである。哲学者であるジェームズ・アレンが著書の中で言っているが、「弱さとは、方向を間違えた強さのこと」であり、方向を間違えているからこそ、限られた時間とエネルギーを浪費してしまうということに繋がっているのである。
しっかりと自分を見つめ志を持つということ、そして、その志に向かって生き、悔いのない人生にするという大きく長期的な視点を持つ事が出来たなら、自分の限られたエネルギーを有効に使うことが可能になるのではないだろうか。是非とも一緒に素晴らしい人生のビジョンを作っていきましょう。ご希望のある方は、お声かけくださいませ。